注意!褒めることで悪影響もあるぞ!子供のやる気を出す正しい方法

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「子どものやる気を引き出す方法」と言われてまず思いつくのはなんですか?

多くの人は、子どもを「褒める」と答えると思います。

子どもは褒めたほうがいいという考え方は世間に浸透しているんでしょう。

その証拠に「子どもは褒めてのばしてあげよう!」なんて言葉は誰しも聞いたことがあるんじゃないでしょうか。

しかしですよ、世間に浸透しているからといって、考えもせず鵜呑みにするのは危険です。

というのも、褒め方によっては悪影響を与えてしまう可能性もあるんです!

今回はその危険性と正しい褒め方について考えていきましょう。

まずはなんで人にやる気がおこるのかを知ろう!

やる気 見出し2

※この物語はフィクションです。

織田君
最近、息子の光秀がやる気がないように見える。戦にも出ておらんようだし、武術や戦術の勉学も怠っておるようじゃ。どうしたものか、、、
未来から来た科学者
お困りのようですね、織田さん。そもそもやる気って何だか知っています?
織田君
御主、何者だ!まあよい、やる気って言ったらやる気じゃろ!なんか胸の中にジワジワ〜ってなってパーってなって熱くなるあれじゃろ!あれ!
未来から来た科学者
そんなんだから裏切られるんですよ。
織田君
うるさい!!私を裏切るやつなどいるわけがなかろう!御主まさか、敵の間者か!(最近光秀のやつ反抗的じゃが、そんなことなかろう、、、)

ということで、織田君がやる気が何かわかっていないので、「どんな褒め方がよくて、どんな褒め方がよくないのか」という話の前に、「そもそもやる気って何?」というところからみていきたいと思います。

人のやる気には二つの種類があります。

一つは「外発的モチベーション(外発的動機づけ)」。もうひとつは「内発的モチベーション(内発的動機づけ)」です。

それぞれ詳しくみていきましょう。

 

  • 外発的モチベーション(外発的動機づけ)ってなに?

外発的モチベーションとは、ある行動をするときに「お金」や「評価」などの外部から与えられる報酬を得ようとする意欲のことです。

行為そのものと行為の目的が異なっている状態です。

明智君
織田のクソお父上が金くれるから、めんどくさいけど戦しに行くでござる

 

  • 内発的モチベーション(内発的動機づけ)ってなに?

内発的モチベーションとは、ある行動をするときに「楽しさ」や「充実感」などの自分の内側から生じる報酬を得ようとする意欲のことです。

行為をすることが目的になっている状態です。

明智君
戦するの楽しいぃぃイイイ〜〜〜!もっと戦略しりたいでござる!もっと武道を極めたいでござる!

「内発的モチベーション」「外発的モチベーション」どちらのモチベーションが子どもにとってより良いの?

織田君
やる気の種類はわかったぞ。はて、それではどちらのやる気のほうがいいのじゃ?
未来から来た科学者
そうやってすぐ人に聞かずに、まず自分で考えて下さい!どっちだと思います?
織田君
もちろん、外発的動機づけじゃろ。我が家臣らは恩賞を与えると喜んで戦に行くぞ!
未来から来た科学者
じゃあ、恩賞として与えるものがなくなったら、どうします?
織田君
……………

 

外発的モチベーションは「評価」や「お金」などを目的にしているわけですから、報酬がなくなってしまえばモチベーションが低下し、パフォーマンス(行動)も低下します。

例えば、テストでいい点をとったらお金をもらえるという外的報酬が目的となって勉強をしていた場合、報酬がもらえなくなったら、勉強をする意欲が低下し、勉強量も減ってきてしまいます。

この場合、主導権を握るのはは外的報酬を与える人です。多くの場合は親ですね。

報酬がなくなってしまえば、やる気がなくなる。つまり、親の行動によって子どもが縛られてしまっているんです。

子どもの自立性や主体性というのはほとんどありません。

 

反対に、勉強をする「楽しさ」やテストで成果を出す「達成感」を目的に勉強しているのであれば(内発的モチベーション)、自分の興味のあることを進んで勉強していきます。

将来、受験や就職など、自分の興味のあることを主体的に決めていく機会が多くあることを考慮すれば、内発的モチベーションのほうが子どもにとってよいのはわかって頂けると思います。

つまり、自立性があり、興味のあることにどんどん自分で挑戦していくお子さんを育てたいのなら、内発的モチベーションをうまく引き出してあげればいいのです。

多くの親御さんの求めるやる気とはこの内発的モチベーションではないでしょうか。

織田君
そうじゃそうじゃ、わかったぞ!光秀にはその内発的もちべいしょんが必要なんじゃ!

じゃあ、内発的モチベーションってどうやって引き出すの?

ここまで、「やる気って何?」ということと、長期的に見ると内発的モチベーションのほうが、子どもにとってよりよいということがわかって頂けたと思います。

織田君
ちょっと待つんじゃ!それでは、光秀の内発的もちべいしょんを高めるのに、わしは何もできないじゃないか!
未来から来た科学者
良く気付きましたね!さすが、第六天魔王!

織田君のようにこの説明の中で勘のいい人のは、ある矛盾に気づいたかもしれません。

  • 内発的モチベーションは子どもの中から生まれる「楽しさ」や「充実感」といった内的報酬
  • 親が与えることができるのは、「ご褒美」や「褒める」といった外的報酬

そうです、親が何かをしてしまうと外発的モチベーションが高まって、内内発的モチベーションが低下してしまう可能性があります。

未来から来た科学者
これは実験でも明らかになっています。
Lepper et al.(1973)は、絵を描くのが好きなこどもにあらかじめご褒美を約束して絵を描かせました。すると、ご褒美をもらうことを目的にしてしまった子どもは自発的に絵を描かなくなってしまったのです。
織田君
1973とはなんじゃ。何をわけのわからないことをいっておるのじゃ。今の年号は天正じゃぞ。

織田君はおいといて、これは、当初持っていた内発的モチベーションが「ご褒美」という外的報酬を与えることによって低下する「アンダーマイニング効果」という現象です。

織田君
ほうほう、「あんだーまいにんぐ」とな。外的報酬とやらは「金銭」だけなのかの?
未来から来た科学者
いいえ、外的報酬には、ご褒美としての「お金」や「賞状」、または褒めるなどの言語的報酬があります。
織田君
それでは、全ての外的報酬とやらに「あんだーまいにんぐ」とやらが働くなら、わしは何もできないじゃないか、、、
未来から来た科学者
安心してください、信長さん。外的報酬によっては、内発的モチベーションを高める効果があるものもあるんですよ。

ということで次は、どんな外的報酬がお子さんにどんな影響を与えるのかを見ていきましょう。

金銭報酬を与えたら子供のやる気はどうなる?

テストでいい点をとったら、ご褒美にお金をあげる、または欲しい物を買ってあげるということをしたことがある人は多いんじゃないでしょうか?

Deci(1971)は、大学生の被験者を二つのグループにわけて興味のある課題(当時大学生の内で流行っていたソマパズル)を与えて、金銭報酬が内発的動機にどう影響するかを調べました。

【第一セッション】

実験者
よーし、君たち!このソマパズルをやってくれくれんかね。これは西洋のカラクリだ。
明智君
ほお、「ぱずる」とな?おお!面白い!面白いぞこれ!
実験者
はい!いったんしゅうりょー!別室で休憩してください。今やったソマパズルや雑誌など、なんでもあるので何をしても構いませんよー!

〜休憩終了後またソマパズルに取り組む〜

実験者
はい、今日はここで終了です。明日はなんと、一題とけるごとに織田君から一両のプレゼントがありまーす。明日もよろしくお願いします〜。

明智君
マジでござるか!クソお父上もたまにはいいことなさるのお。

【第二セッション】

実験者
はい、みなさんこんんちはー!今日は昨日言ったように一題解けるごとに一両もらえるんで頑張って下さーい!

〜休憩中

明智君
一両もらえるんでござるな、よし!休憩中も「ぱずる」とやらの練習をするでござる。

〜休憩終了後またソマパズルに取り組む〜

実験者
はーい、今日はここで終了です。残念ながら、明日は織田君からの報酬はありません。でも頑張って下さいねー!

【第三セッション】

実験者
はーい二問目が終わったところで、休憩でーす!いつも通り何をしていても構いませんよ〜。

〜休憩中

明智君
くそ、お父上の野郎しけてやがる!一回きりかよ。最近あいつうぜーんだよな。反抗でもしてやろうかな。くそっ!楽しかった「ぱずる」をするのにもやる気がでねえ。

こんな感じで、(いやこんな感じではないと思いますがw)、明智君率いるAグループに金銭的報酬を与えて休憩中にソマパズルにどれだけ取り組むかを指標として、内発的モチベーションの変化を調べました。

Bグループには特に報酬は与えずにAグループと同じことをしました。

↓まとめるとこんな感じですね↓

  第一セッション 第二セッション 第三セッション
Aグループ 報酬なし 報酬あり 報酬なし
Bグループ 報酬なし 報酬なし 報酬なし

 

それぞれ、休憩時間にどれだけソマパズルに取り組んだのか、結果はこちら!

  第一セッション 第二セッション 第三セッション
Aグループ 平均248秒 平均313秒 平均198秒
Bグループ 平均213秒 平均205秒 平均241秒
未来から来た科学者
Aグループでは,第1セッションの休憩時にパズルにふれた時間(平均248秒 )と 第2セッションの休憩時にパズルにふれた時間(平均313秒)に比べ,第3セッショ ンの休憩時にパズルにふれていた時間は,急激に低下しました(平均198秒 ) 。

これに対して,Bグループでは,第1セッションの休憩時にパズルにふれた時間(平均213秒)と、第2セッションの休憩時 にパズルにふれた時間(平均205秒)に比べ、第3セッションでは増加しました(平均241秒)

この結果は、金銭報酬を与えるともともと持っていた内発的モチベーションが低下することを示しています。

織田君
よくわからんが、金銭報酬を与えるのは子供にとってよくないってことじゃな!
余談になりますが、筆者が中学生のころ同じような経験をしました。

当時の私は、新しい事を知るのが楽しくて、自主的に勉強をしていました。その成果もあってか、あるときテストで良い順位をとったのです。その結果を親にみせると、ご褒美としてお金をもらいました。親戚もお金をくれたのを覚えています。

それからというもの、お金欲しさにがむしゃらに勉強して、一年を通してほとんど学年1位をとるという結果を残しました。しかし、高校生になってからは、テストの成果に対してお金をくれなくなりました。そのあとは、どうなったかわかると思います。いつのまにか当初あった新しいものを知る楽しさは消え、勉強に対して無気力になってしまいました。

 

言語報酬(褒める)を与えたら子供のやる気ははどうなる?

やる気 見出し中間

ながらくお待たせしました!ついに褒めることには効果があるのかがわかります。

織田君
褒めるなんてコストもかからんことで、内発的もちべいしょんが高まるのかのお。
未来から来た科学者
褒めることを馬鹿にしてはいけませんよ。また我らがDeciさんが褒めることに効果があるのか検証してくれましたよ
織田君
Deciは嫌じゃー!説明が長くて難しいンじゃーーーーーーー!

はい、そんな織田君のためにも簡潔に説明しましょう。

Deci(1971)は、言語報酬が内発的モチベーションに及ぼす効果について、先ほどのソマパズルと同じ構造の実験をしました。

ただ、違うのは明智君率いるAグループに金銭報酬を与えるのではなく、正の言語報酬(褒める)を与えたことです。

明智君
「大変よろしい。誰よりも速くできました。それはまだ誰もできていません 」なんて言われたでござる!うれしいでござるー!

この結果、言語報酬を受けたAグループの被験者は、言語報酬を受けなかったBグループの被験者に比べて内発的モチベーションが高まりました。

また、木村(2007)は、小学5年生を対象にした実験で、言語報酬が取り除かれても、内発的動機づけは低下せず、むしろ高まることを示しました。

未来から来た科学者
つまり、褒めることは内発的モチベーションは高めるには効果的ってことですね。

そして、たとえ褒めることがなくなるようなことになってもアンダーマイニング効果はおきないということです。

織田君
ほうほう、では、わしも光秀を褒めまくればいいんじゃな!待っておれ光秀ー!

補足ですが、ハーロック(1925)によると「しかる」ことは、一時的に行動量をあげ、パフォーマンスを向上させますが、次第にパフォーマンスも低下します。

私の推測になりますが、内発的パフォーマンスも低下しているのではないでしょうか。

「しかる」という行為事態は悪いとは思いませんが、しかることでやる気を出させるのはやめておいた方がいいと思います。

織田君
「キンカ頭!最近のお前はたるんでおる!勉学と技の鍛錬に励むのじゃ!」って光秀に言ってしまったのは良くなかったんじゃな、、、

褒めることの落とし穴!やたら無闇に褒めたらだめ!

明智君
お父上、こんなところに呼び出してなんでござるか。
織田君
光秀!先ほどの戦、あっぱれであった。お前は戦の天才じゃ!本当に頭が冴えているのう!(これで光秀の内発的もちべいしょんが高まるのだな)

そこで、お前に次の大きな戦の大将を任せたい。やってくれるか?

明智君
(クソお父上が褒めてくれるなんて、、、でも、、、)うれしいでござるが、嫌でござる。もっと簡単な戦なら引き受けるでござるよ。では、失礼!
織田君
なぜじゃあああああああああ!やる気に満ちあふれているはずじゃないなかったのかあああああ!
未来から来た科学者
あらあら、織田さん、無闇に褒めるからそうなるんですよ。

上手くいかなかった原因ですが、マンガでわかる心療内科さんがとてもわかりやすく説明していたので紹介したいと思います。

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マンガで分かる心療内科・精神科in渋谷 第56回「『頭がいい』と誉めちゃダメ!」より

とてもわかりやすいですね。このことについて、『その科学が成功を決める』にさらにわかりやすくかいてあります。

頭がいいと褒められた子供は気分はよくなるが、同時に失敗を恐れるようになる。成功しなかったら格好が悪いと考え、むずかしい問題への挑戦を避ける。

しかも頭がいいと言われた場合、自分はがんばらなくてもよくできると思いがちである。そのため必要な努力をしなくなり、結果として余計失敗する割合が高くなる。
そして不幸にして実際に悪い成績をとると、子供は完全にヤル気を無くし、無力感に襲われる。
                           『その科学が成功を決める』より

 

もう私が説明する必要ありませんね。私が説明したら逆にわからなくなってしまうかもしれません。笑

ということで、褒める事は内発的モチベーションを高めるが、知性や才能を褒めるのは逆効果になることがわかりました。

次は、それを踏まえて、正しい褒め方についてまとめていきます!

 

待たせたな!子供のやる気を出す正しい褒め方はこれだ!

やる気 見出しラスト

ここでは、今ままで説明してきたことに注意して、正しい褒め方について書いていきます。

未来から来た科学者
RyanとDeciによると、内発的モチベーションは「有能性」「自立性」「関係性」を感じると高まります。

そのため、その3つを感じるような褒め方をすれば効果的にやる気を引き出せるのです。そこに注目して見ていきましょう。

  • 有能性を感じる…自分がある行為をうまくできると感じること
  • 自立性を感じる…ある行為を行うかどうか自己決定していると感じる事
  • 関係性を感じる…自分と他者との間に安定したつながりを感じること

 

結果ではなく努力・プロセス(過程)を褒める

結果を褒められると、褒められることが目的になってしまう可能性があります。そうなると、外発的モチベーションが高まって、内発的モチベーションが下がってしまいます。つまり、褒めてほしいがために行動をするようになってしまいます。

反対に、プロセスを褒めることで、「自分は、できたんだ!」という有能性を感じ、自信がついていくことで、内発的モチベーションが高まるのです。

内発的モチベーションのほうが子供にとってより良いのは理解してもらえたと思うので、内発的モチベーションを高めるために努力やプロセスを褒めましょう。

また、努力を褒められた子は結果を怖れずに、やってみようと思うようになります。

プロセス・努力を思い出させるような質問をしながら褒める

「〜ができるなんて頑張ったね!どうしてそんなに頑張れたの?」

「〜をやりきるなんてよくやったね!どうやってできたの?」

このように、プロセスや努力などの自分が頑張ったことを思い出す質問をします。

すると自分はできたんだという再確認から、自分で頑張ったんだという自立性や、自分はできるんだという有能性が感じられ、内発的モチベーションが高まります。

具体的に褒める

「よくできたね!」や「すごいね!」、「頑張ったね!」などの褒め言葉だけでなく、何を頑張っていたのか、何がよくできたのかを具体的に褒めてあげましょう。

具体的に褒めることで、何に対して褒められているのかがはっきりして、自立性や有能性が高まります。

まとめ

まとめ やる気を出す
  • やる気の種類には内発的モチベーションと外発的モチベーションがある
  • 子供のとってより良いと考えられるのは、内発的モチベーションである
  • 内発的モチベーションを高めるために金銭報酬や賞状などの外的報酬はNG
  • やる気をあげようと言語報酬(しかる)を与えることは、パフォーマンスを一時的にのみあげるが、後に低下させるためNG
  • 言語報酬(褒める)は、内発的モチベーションを上げる効果があるため、褒めることには意味がある
  • しかし、才能や知性を褒めるのはNG
  • 有能性や自立性、関係性を感じられる褒め方をするのが良い
未来から来た科学者
いくら理論をしっていても、実践しなければ意味がありません。

初めからこのように褒めるのは難しいかもしれませんが、意識をして実践してみてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

松井和輝

中学・高校ともに不登校。それが原因で自殺未遂を経験。現在はその経験を生かして、「学校に復帰するだけでなく、本来の純粋な自分を取り戻すことを第1の目的」として、300組以上の親子の問題解決を行う。